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うちのお寺「臨済宗」の基礎知識

うちのお寺は臨済宗。と知ったのは、大好きなおじさんの葬儀のときでした。自分の家の菩提寺の宗派など、それまでは、まったく興味の無い事柄でした。

なぜか、禅宗とだけはしていましたが。

しかし、お葬式や法要など、いざとなると大事なのが、先祖代々から長きに続く菩提寺とのお付き合いです。

核家族が進む現代、うちのお寺は「何宗」なんて知らない人が多くなってきました。

今直ぐには必要が無いかもしれませんが、お盆のお参りなどに来られる菩提寺のご住職に、恥を忍んで一度尋ねてみましょう。

そのとき少しでも基礎知識を頭の片隅に入れておくことが大切かと思います。

そこで、うちのお寺、臨済宗の基礎知識を調べてみました。

簡単にできそうな、坐禅なんかも家庭で体験したりできます。

○臨済宗の本尊

相国寺

相国寺

臨済宗に限らず、禅宗では特定の本尊は立てません。

これは「人間は生まれながらにして仏性をもち、本来みな清浄である」という、お釈迦さまの悟りの体験を自己の内に自覚することを重視しているためです。

そのため本尊にこだわりはなく、仏殿正面には、釈迦如来像または、薬師如来、観音菩薩、文殊菩薩などをまつっているところもあります。

脇には禅宗の始祖達磨大師像、開山祖師の像などがまつられます。

○よりどころとする経典

他の宗派はお釈迦さまの説いた経典をよりどころとしていますが、禅宗では、お釈迦さまの悟りの体験を重視するため、特定の経典へのこだわりはありません。

ただ、古くからの習慣として、「大般若波羅蜜多経」「金剛般若経」「般若心経」「法華経」の観世音菩薩普門品などの経典が読まれ、「白隠禅師坐禅和讃」や「宗門安心章」など、また公案に使われる祖師一代の語録などもよく読まれます。

○禅問答とは

修行僧は師家(指導者)から出された公案にと取り組み、坐禅や作務のあいだも公案に苦しんだ結果、何らかの悟りを得て師家の部屋に行き、その内容を説明(入室参禅)します。

公案自体がおよそ論理的ではない直感の塊だから、修行僧も師家も発言は論理的ではなく激しい問答が繰り返され、時には棒で打たれることもあります。それが「禅問答」です。

なぜ禅問答を行うかといえば、禅宗は自己を見つめつくす体験であり、悟りの内容は言葉や文字では表現しずらいものです。

修行の段階によっては悟りは何回も訪れるが、そのときの師家は「それ、そこだ。それが悟りだ」と、何かをつかみかけている修行僧に直ちに示してやることができます。

○14ある本山

建仁寺

建仁寺

現在の臨済宗は14派に分かれ、各派ごとに本山を有します。

もともと臨済宗では本山を定めず、中国の南宋の五山制度を模した形態が設けあっれていました。

建長3年には鎌倉の建長寺を第一とする五山が、政権が京都に移った建武元年には京都を中心に五山が定められました。

鎌倉派と京都派、武家禅と公家禅など寺格をめぐって対立が激しくなったため、至徳3年に鎌倉・京都の双方に五山制度が定められました。

京都は、南禅寺を別格として、天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺。

鎌倉五山は、建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺。

さらにそれぞれの下に十刹が定められています。

以来、変遷をへて五山十刹制度は消え、現在に14派本山となっています。

建仁寺派 建仁寺 (京都市東山区)
東福寺派 東福寺 (京都市東山区)
南禅寺派 南禅寺 (京都市左京区)
天龍寺派 天龍寺 (京都市右京区)
相国寺派 相国寺 (京都市上京区)
大徳寺派 大徳寺 (京都市北区)
妙心寺派 妙心寺 (京都市右京区)
建長寺派 建長寺 (神奈川県鎌倉市)
円覚寺派 円覚寺 (神奈川県鎌倉市)
向嶽寺派 向嶽寺 (山梨県塩山市)
方広寺派 方広寺 (静岡県引佐町)
永源寺派 永源寺 (滋賀県永源寺町)
国泰寺派 国泰寺 (富山県高岡市)
佛通寺派 佛通寺 (広島県三原市)

大徳寺

大徳寺

○伽藍配置が面白い

密教寺院が山岳に建てられたのに比べ、禅院は飛鳥時代と同じく平地に整然と配置されました。

禅宗の七堂伽藍は、山門(三門)、仏殿、法堂、僧堂、庫院(庫裏=台所)、東司(西浄=トイレ)、浴室からなります。台所やトイレ、浴室まで伽藍に含むのは、禅が日常生活すべてを修行の場と考えるからです。

また、その配置は人体にたとえられ、法堂は頭、仏殿は腹、山門は股、僧堂は右手、庫院は左手、東司は右足、浴室は左足を現します。

○戒名の特徴

位牌本来、戒名は仏弟子になった証で、臨済宗では生前に公案を会得し、導師から授かるものです。

院(殿)号は、古くは寺院を建立寄進した貴人につけられた尊称ですが、いまは社会やお寺への貢献と信仰心のあつい人につけられます。

ほかにも軒・庵・斎など住居の名が尊称として用いられます。

道号は、性別や生前の徳、業績をあらわします。

法号は、性格や性別・年齢、そして生前の徳により、禅定門・禅定尼・居士・大姉・信士・信女(成人)・童子・童女(15歳以下)・孩子・孩女(幼児)・嬰子・嬰女(乳児)などがつけられます。

○臨済宗と曹洞宗の違い

道元が興した曹洞宗も修行の方法は坐禅です。

しかし坐禅に対する心構えがまったく違います。

臨済宗は坐禅を悟りに達する手段と考え、その最中に、公案を思索し工夫する「公案禅」ですが、曹洞宗は坐禅に目的も意味も求めずただ黙々と壁に向かって坐禅する「只管打坐」です。

臨済宗の「看話禅」に対して、曹洞宗は「黙照禅」といいます。

また、曹洞宗は一般民衆の間に、臨済宗は鎌倉幕府の庇護のもと上級武士層にひろまったため「臨済将軍、曹洞土民」といわれました。

臨済宗の栄西と曹洞宗の道元

栄西は、備中国吉備津宮の神官の子で11歳で天台教学を学び、14歳で比叡山に登りました。28歳で宋に渡り、天台の経典を持ち帰ったが、宋で知った禅をきわめようと47歳で再入宋。臨済宗黄竜派の虚庵懐敞に師事し、5年目に印可を得て帰国。博多に我が国最初の禅寺聖福寺を開くが、天台宗僧徒の激しい非難をあびて、朝廷から禅停止の命を受ける。

栄西は「興禅護国論」を書いて天台密教の僧として一生を終えるが、著書の最後に禅は再興すると予言して、日本臨済宗の開祖として仰がれます。

一方、道元は、比叡山で天台教学を学び、栄西の門下となって禅を習い、栄西の弟子明全について宋に渡りました。

そこで、曹洞宗の天童如浄に師事し、師の「坐禅中は身心脱落なるべし」という言葉によって悟りを得、日本に帰り、越前の永平寺を拠点に独自の禅風を興しました。

○仏壇と本尊

仏壇とは、お寺の本堂を小さくしたようなものですから、本尊をまつることが基本です。
仏壇には位牌も安置しますが、原則として本尊が主で、位牌は従という関係となります。
臨済宗では各派ともほぼ共通して釈迦如来(釈迦牟尼仏)像を本尊としてまつります。


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本尊は仏壇最上段中央に安置します。

本尊の左右にまつる脇侍は、三尊仏として向かって右側に文殊菩薩、左側に普賢菩薩を安置するか、右側に禅宗の初祖である達磨大師、左側には観世音菩薩あるいは臨済大師を安置する場合は多いです。

また、本山の開山の位牌や御影をまつることもあります。

各派によって多少違うので菩提寺の住職に聞いてみてください。

仏壇

○仏具とお供え

仏壇は普通3段になっており、その上段に本尊、脇侍等を安置し、本尊の前に茶湯器や供養膳を置きます。

中段には祖先の位牌を安置します。向かって右に古い位牌、左側に新しい位牌を置きます。過去帳があれば、この段の中央に安置します。

過去帳の両脇には高抔を置き、お菓子や果物などを乗せてそなえます。

命日や法要のときは、その位牌を本尊の下にくるように中段中央に置きます。

下段には、香炉、燭台(ロウソク立て)、華瓶(花立て)をそなえますが。それぞれが一つずつの場合は三具足、燭台・華瓶が一対ずつの場合は五具足と呼ばれます。

三具足の場合は、香炉が中心に右に燭台、左に華瓶を配置し、五具足の場合は香炉を中心に内側に燭台一対、外側に華瓶一対を配置します。

さらに経机に数珠、経本、小磬(鈴)、線香立てなどを置きます。木魚は経机の右側の下に置きます。

○合掌の仕方

合掌は仏前における基本的な動作です。

両手のひらをぴったりとつけ、両手の指が自然に合うようにします。

合掌するときは、背筋を伸ばして親指の付け根がみぞおちのあたりにくるようにすると、無理のないきれいな合掌の姿勢ができあがります。

合掌のときは、きちんと正座をすることが基本です。正座をして、背筋を伸ばし、顎をひくことで姿が美しくなり、気持ちも引き締まります。

○礼拝の仕方

臨済宗をはじめ禅宗の場合は、礼拝の仕方を大きく五段階に分けています。

・低頭(ていず)・・・頭をさげる
・胡跪(こき)・・・・片ひざ(左)を立ててひざまずく
・揖(いつ)・・・・・叉手(しゃしゅ・・右手を胸にあてその上に左手を軽くおおう)のまま頭をさげる
・門訊(もんじん)・・合掌して低頭する
・大門訊・・・・・・・両手で円を描くように合掌して低頭する

礼拝のしかた

また、寺院では朝夕のおつとめには、すぐに立ち上がって合掌低頭し、ひじを床につけて一礼する動作を3回繰り返す「三拝」という礼拝を行います。

○数珠の持ち方

数珠のかけ方は、普通は左手首にかけておき、合掌や叉手のときには二環にして左手の親指と人差し指のあいだにかけます。

数珠を手に持つときは、二環にして左手で持つのが基本です。

数珠

○焼香の作法

焼香の回数については、仏・法・僧の三宝に供養する意味から3回といわれています。

心を静め、身を清めると考えれば2回、真心をこめて一心におこなうならば1回でもいいです。

会葬者の人数など状況に応じて回数を選ぶのが賢い方法です。

焼香

○坐禅のしかた

坐禅の本来の目的は、「自身の仏性を自覚する」ための方法です。

私たちはあらゆる環境の中で生活していますが、そのつど変化する環境に左右されず、とらわれない心を“坐”といい、自分の心の奥にある仏性の存在を信じることが“禅”である、といっています。

もちろん、坐禅をはじめるときの動機は人それぞれが、仏性を自覚するという本来の目的を見失わずに坐ってください。

○坐禅をする前の準備

坐禅にとって自身を自覚するには、心身ともに健康であることが大切です。

坐禅の前日は睡眠不足あるいは睡眠のとりすぎをさけ、満腹や空腹の状態で坐らないなどといったことは最低限守るべきことです。体調がすぐれないときは、体調を整えてから行うようにしましょう。

服装は特別な決まりはありませんが、ゆったりしたものがいいです。坐禅中は素足になり、時計等の装身具ははずしましょう。

坐禅をする場所は、静かで落ち着いた場所がいいです。市街地にお住まいの場合は適当な部屋がなくても、あまりこだわることはないです。坐禅に集中していれば、多少の物音も気にならないものです。

坐蒲団を二枚用意しましょう。

○坐禅の実践

場所が決まったら、そこに坐蒲団を敷き、1枚はそのまま敷き、もう1枚は2つ折にしてお尻の下にくるように置きます。

坐る前に、まず、坐蒲団の方に合掌し、振り向いて坐蒲団を背にしてもう一度合掌します。

そして坐り、下記の図の順で坐禅を組みます。

坐禅

正しい坐禅は「調身(身を調える)」「調息(呼吸を調える)」「調心(心を調える)」といった三大要素が大切です。

きちんと坐った段階で「調身」は完了です。

つぎに「調息」。ここでのポイントは「吐く息は長く、吸う息は短く」呼吸法を繰り返す方法をおすすめします。

眼を閉じ全身から力を抜いてゆっくりとした気持ちで「いィ~ち」といった感じで息を細かく長く吸い、「にィ~い」で同じように息を吐いていく。これを繰り返し、十までいったらまた一から繰り返す。ひたすら繰り返します。ひたすら繰り返しているうちに、心気がさん下丹田(へそ)に下りてきて、気持ちが静かになり、集中されていきます。

そして「調心」は、精神の統一です。はじめは、呼吸を調えることに集中することで乱れた心を統一するのが初心者にはいいです。

時間は決まっていませんが十分や15分でも毎日続けることが大切です。

坐禅を終えるときは静かに合掌して、体を前後左右にゆすってから足をといて、ゆっくり立ち上がります。

(出典:うちのお寺は真言宗/双葉社)

いかがでしょうか。臨済宗の一般的な基礎知識です。

同じ「臨済宗」であっても臨済宗各派や地方・地域によっては若干違う部分はあると思います。

その場合は、お近くの菩提寺にご確認ください。

 

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