「匂宮」~「夢浮橋」
源氏ゆかりの貴公子、薫と匂姫を中心とした恋物語。大君、中君の二人の姫と共に宇治で隠棲する八宮を知った薫は、宇治に通ううちに出生の秘密を知る。
匂宮は中君と結ばれ、薫は大君を慕うが成就せず、やがて大君は病没する。
失意の薫の前に、大君そっくりの異母妹、浮舟が現れる。匂宮も浮舟を見初め、二人のあいだにたって苦悩した浮舟は宇治川に身を投げるが救出され、のちに出家する。
平 等 院
JR宇治駅から宇治橋通りを徒歩約10分、宇治橋の畔を右へ。平等院への参道は宇治茶の老舗から漂うお茶の香りに包まれて進みます。
修復が終わった平等院は、華麗なべんがら色に包まれて、阿弥陀入来が現世を照らします。
平等院は藤原道長の子・頼道が、別荘地を改めた寺院です。
頼道が極楽浄土を現世に現そうと、豪華な建築物や庭園が造られました。
阿弥陀堂(鳳凰堂)は、鳳凰が羽根を広げたような優美な姿です。屋根の上にそびえる鳳凰像は10円硬貨の裏に刻印されている、おなじみの鳳凰です。
堂内には定朝作の国宝・阿弥陀如来像が鎮座しています。
平等院の宝物が見られる「鳳翔館」では、国宝の鳳凰、木造雲中供養菩薩像 52躯や梵鐘をはじめCG映像による鳳凰堂中堂壁扉画の再現映像も楽しめます。
◆拝観時間
庭園/開門 午前8:30 閉門 午後5:30
平等院ミュージアム鳳翔館/開館 午前9:00 閉館 午後5:00
鳳凰堂内部/受付 午前9:10~午後4:10
◆拝観料
庭園+平等院ミュージアム鳳翔館
大人600円 / 中高生400円 / 小人3000円
橋姫神社
平等院後に、参道を戻り宇治橋の交差点を左へ。縣神社の参道を進みます。
縣神社に向かう途中に、宇治橋を守る女神・瀬織津姫命(橋姫)を祀る橋姫神社があります。
明治3年に大洪水で流されたのち現在地に再建されたものですが、かつては宇治橋の西詰、さらに古くは宇治橋三の間に祀られていたと伝えられています。
「源氏物語」の巻名にもなった橋姫は、悪縁を切る神としても有名です。
境内には「橋姫のお化け柳」と呼ばれる大きな珍しいしだれ柳があります。
縣 神 社
縣神社の参道を徒歩約10分。平等院の鬼門除けの社、境内に県井がある縣神社があります。
祭神の木花開耶姫命は、安産や縁結びの神様です。
6月5日の深夜には、暗闇祭とも呼ばれる奇祭、縣祭が行われ、多くの人が詰め掛けます。
神社周辺は平安後期には「縣の森」とよばれていました。
宇 治 橋
大化2年にはじめて架けられたといわれ、日本三古橋のひとつにかぞえられます。
「源氏物語」のほか、「古今和歌集」にも登場します。
また、吉川栄治の「宮本武蔵」に登場する通圓茶屋も東詰にあり、沢山の人が休憩されています。
宇治上神社
宇治橋東詰から畔の道を進み、さわらびの道に入ると、世界遺産「宇治上神社」があります。
世界遺産といっても、静かで落ち着いた神社です。
応神天皇、仁徳天皇、莵道稚郎子が祀られています。
本殿は平安時代に建てられた日本最古の神社建築。拝殿は鎌倉時代の建築でいずれも国宝です。
平等院建立ののち、その鎮守社として尊崇され、治暦3年に後冷泉天皇が平等院行幸の際、離宮明神に神位を与えたとされています。
宇治七名水のひとつ「桐原水」が涌き出ます。
宇治市源氏物語ミュージアム
宇治橋東詰、通圓茶屋を越えて北に進みます。「源氏物語ミュージアム」の看板を右折すると、長閑な住宅街を通り約5分。「源氏物語ミュージアム」があります。
緑のアプローチロードを進み館内へ、館内は「源氏物語」一色です。
平安時代の装束や調度品を展示するほか、物語の一場面である宇治十帖「橋姫」や光源氏邸・六条院の大型ジオラマが目を引きます。
「浮舟」を題材とした短編映画も上映されています。
◆開館時間
午前9時~午後5時 ※入館は午後4時30分まで
休館日/月曜日(祝日の場合はその翌日)・年末年始
◆観覧料
大人500円 / 小人250円
三室戸寺
京阪宇治線「三室戸駅」下車、国道を越え山手のを登ると、巨大な庭園にアジサイとツツジが咲く古刹「三室戸寺」があります。
奈良時代創建の寺院で、広大な境内に阿弥陀堂や三重塔、十八神社などがあります。
本尊は千手観音で西国三十三カ所観音霊場10番札所の寺院です。
また、宝蔵庫には重要文化財に指定される阿弥陀三尊を安置。
枯山水と池泉という異なる趣が楽しめる大庭園があり、アジサイの季節は必見の庭園です。
境内には浮舟の古跡があります。
◆拝観時間
8時30分〜16時30分 ( 4月1日〜10月31日)
8時30分〜16時00分 (11月1日〜 3月31日)
※拝観最終受付は閉門時間の30分前まで
納経最終受付は閉門時間の30分前までとなっております。
※年末休み (12月29,30,31日)
※各種警報の発令の場合、拝観中止となります。
◆拝観料
大人500円 / 小人300円
「源氏物語-光源氏が歩いた都-」続きます。
源氏物語-光源氏が歩いた都(1)→
源氏物語-光源氏が歩いた都(2)→
<スポンサードリンク>