京都駅から市バスで約40分。金閣寺から龍安寺を経て仁和寺へ、「きぬかけの路」は三つの世界遺産を巡り、美術館や平和ミュージアムなど文化施設も堪能できる、全長およそ2.5kmの観光道路です。
金閣寺から龍安寺まで徒歩約20分。 龍安寺から仁和寺まで徒歩約10分。
衣笠山麓を抜ける緑豊かなルートは歩いて散策するにも最適で、仁和寺前から嵐電(京福電鉄北野線)に乗れば、太秦映画村や嵐山の中心まで行くことができます。
金閣寺
京都駅から京都市バス101系統で「金閣寺道」を下車。ようじやのある金閣寺前交差点を横断し西へ歩くと、金閣寺(鹿苑寺)の参道入り口に突き当たります。そのまま参道を進むと金閣寺総門に到着。拝観券を手に入れて、金閣寺へ進みます。
青空と新緑の緑の中に、金色に輝く金閣寺は極楽浄土を思わせる優美な風景です。
金閣寺
金閣寺は通称で鹿苑寺(ろくおんじ)が正式な寺院の名称です。
臨済宗相国派の寺院で、舎利殿が楼閣建築の金閣で有ることから寺院全体を金閣寺として知られています。
鎌倉時代に藤原一族の藤原公経(西園寺公経)(さいおんじきんつね)がこの地に西園寺を建立。鎌倉幕府滅亡後は荒れ果てた地となり、当時の政治の実権を握る足利義満が西園寺を譲り受け、「北山殿」と呼ばれる大規模な別荘に改築しました。
足利義満の死後、北山殿は舎利殿(金閣)を残して解体され禅寺となりました。
勇壮な金閣寺を後にし、参道前の道を右へ「きぬかけの路」へと入っていきます。
(京都市北区金閣寺町1)
拝観料:大人(高校生以上)/400円、小・中学生/300円
拝観時間:9:00~17:00
公式サイト:http://www.shokoku-ji.jp/flash/flash.html
きぬかけの路を巡る
「きぬかけの路」は宇多天皇が真夏に雪景色を見るために、衣笠山に白絹をかけられたという故事から、命名されました。
金閣寺から西へ道なりに進みます。ランチを楽しめる場所も多く、なだらかな道で龍安寺、仁和寺と三つの世界遺産を巡る路です。
金閣寺から徒歩で約15、北側に「ギャラリー雅堂」があります。ここは木版画で有名な木田安彦画伯のギャラリーで、一度は見たことのある作品が見られます。
更に西へ約5分、立命大学衣笠キャンパス正門の向かいに日本画家の堂本印象自らデザインをした斬新な外観の京都府立堂本印象美術館があります。
キャンパス横の道(馬代通)を南へ入ると、世界ではじめて大学が設立した「立命館大学国際平和ミュージアム」があり、館内には約1200点の資料が展示されています。
立命館大学国際平和ミュージアム
(京都市北区等持院北町56-1)
見学資料費:大人/400円、中学・高校生/300円、小学生/200円
開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は、火曜日が休館)、祝日の翌日
公式サイト:http://www.ritsumei.ac.jp/mng/er/wp-museum/index.html
堂本印象美術館
(京都市北区平野上柳町26-3)
観覧料:一般/500円、高大生/400円/小中生200円
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は、火曜日が休館)
公式サイト:http://insho-domoto.com
等持院
国際平和ミュージアムをさらに南に進み、「等持院東町」のバス停を通り過ぎたすぐ先の角を右に曲がり道なりに進みます。
六請神社を過ぎると、等持院の山門が現れます。
等持院
足利尊氏が暦応4年に等持寺の別院として建立。尊氏の死後はその墓所となり、応仁・文明の乱で等持寺が焼失した後、等持院と改められ足利将軍家の菩提寺として深い帰依を受けた。
池泉回遊式の庭園は「風色雄雅」と評され、芙蓉池は夢窓国師の作と伝えられています。
庭中には尊氏の墓と伝えられる印塔があり、方丈東にある霊光殿には歴代足利将軍の木像が安置されています。
(京都市北区等持院北町63)
拝観料:大人(高校生以上)/500円、小・中学生/300円
拝観時間:9:00~17:00
写真:京都フリー写真素材
龍安寺
きぬかけの路に戻り西へ約5分、龍安寺が見えてきます。駐車場から、店が並ぶ石
畳の道を進み、山門から入ります。
山門を入ると、左に鏡容池が広がります。鏡容池は、平安時代に円融天皇の御願寺としてこの池に建てられた円融寺の園地と伝えられています。
鏡容池の北岸に方丈があり、方丈の前庭が有名な枯山水式石庭で、白砂敷きの中に5群15個の岩石が配置あれています。
境内では、世界文化遺産に登録されている枯山水の石庭や鏡容池を見ることができます。
龍安寺
石庭で知られる龍安寺は宝徳2年、細川勝元が妙心寺の義天玄承を招いて創建。応仁・文明の乱で焼失後も書院を移して方丈とし復興。その後、政元のときに徳芳禅傑のもとで整備されました。
なお、龍安寺背後の山には、一条・後朱雀・後三条などの天皇・皇后陵などが集まり、龍安寺七陵とよばれています。
(京都市右京区龍安寺御陵下町13)
拝観料:大人・高校生/500円、小・中学生/300円
拝観時間:3月1日~11月30日/8:00~17:00、12月1日~2月末日/8:30~16:30
公式サイト:http://www.ryoanji.jp/
仁和寺
龍安寺を出てさらに、きぬかけの路を西へ進み、道なりに下った先の西洋雑貨店横のガレージを越え、坂を上がると、蓮華寺があります。五智如来と呼ばれる5体の如来像と11体の観音像からなる石仏群を見ながら境内を西に抜け、きぬかけの路に戻り右へ。壮大な二和寺の仁王門にたどり着きます。
仁和寺は、宇多天皇により仁和4年に真言宗御室派の総本山として創建され、年号を寺号としました。境内にはドラマの撮影でも度々登場する五重塔や、国宝に指定されている金堂(本堂)が建っています。
二王門を入ると正面に中門が見え、その奥に金堂があります。
二王門を入って左手に「本坊」があります。旧御室御所の御殿で、勅使門・白書院・黒書院・宸殿・霊明殿・白砂の南庭・池泉回遊式の北庭で構成されています。
また春には遅咲きで有名な御室桜を見るために、多くの人が訪れます。左右に金剛力士像が安置された二王門を出て、南にまっすぐ歩くと、嵐電(京福電車北野線)御室仁和寺駅に到着します。
蓮華寺
天喜5年に藤原康基が、御冷泉天皇の御願により建立。その後、応仁・文明の乱で焼失し、長い間荒廃が続きました。寛永18年江戸の豪商樋口平太夫家次翁により伽藍堂宇が再興され、仁和寺の宮覚深法親王より改めて五智山蓮華寺の号が授けられた。
境内の石仏群が有名で、五智如来像5体と菩薩像11体が並びます。
仁和寺
(京都市右京区御室大内33)
拝観料(御殿):大人・高校生/500円、小・中学生/300円
拝観時間:3月1日~11月30日/9:00~17:00、12月1日~2月末日/9:00~16:30
公式サイト:http://ninnaji.jp/
蓮華寺
(京都市右京区御室大内20)
拝観時間:8:00~17:00(冬季12月~2月 16:00まで)
公式サイト:http://rengezi.com/
春夏秋冬、一年中楽しめる散策道です。ぜひ一度訪れてください。