毎年暑い夏になると熱中症が気になりますね。若い頃は頭を冷やしてちょっと涼しい所で休むだけで済んだのが、年を取って来るとだんだんそういう訳にも行かなくなります。
いざ熱中症になってしまったら、早めにお医者さんに診てもらって点滴など適切な治療をしてもらわなければいけませんが、そうなる前に普段の食事の中でどんな食べ物が熱中症予防に良いのか知っておく事が一番大切ですね。
さて、どんな食べ物が熱中症の予防に良いのでしょうか。
BEST1 一番理想的な味噌汁
熱中症になりにくい身体を作るためには、普段からバランスの良い栄養を取る事が大切なのは言うまでもありません。熱中症の予防には普段からカリウムやビタミンB1、そしてクエン酸を摂る事が必要ですが、その内のカリウムとビタミンB1を毎日摂るには味噌汁が理想的です。
まず、味噌そのものにはカリウム、マグネシウム 鉄分などのミネラル、そしてビタミンB1、B2,B6などがバランスよく含まれていて、まさに人間に必要な栄養素の宝庫です。
高血圧気味で味噌に含まれるナトリウムが気になる方は減塩出汁を使うとか、少し薄めにすれば大丈夫です。また、よく汗をかく夏場は逆に体の塩分が汗と共に出てしまいますので、少し濃い目にしても良いでしょう。
味噌汁は毎日同じ具を入れるのではなくて、色々な具をミックスして日替わりで作れるのも、バランスよく栄養が取れる理由です。
ジャガイモやサトイモ、かぼちゃ、ほうれん草、ワカメ 茄など、味噌汁の定番の具には揃ってみんなカリウムが豊富です。
さらに豚肉を加えて豚汁にすると、豚肉のビタミンB1が加わります。それにビタミンB1の吸収を助けるネギ類を入れて、万能味噌汁の出来上がりです。
暑い夏場は味噌汁は熱くてダメという人には、冷たくした味噌汁がお勧めです。
具だくさんの味噌汁で、熱中症になりにくい身体を保ちたいものです。
BEST2 酸っぱい梅干しも大切です
酸っぱい物に多く含まれているクエン酸も、熱中症の予防には欠かせません。
クエン酸は体内の疲労物質である乳酸の発生を抑えて疲労回復の手助けをしてくれます。また、各種ミネラルの吸収を助ける働きもあります。
疲れた時はレモン水を飲むと良いなどとよく言われますが、それはレモンに含まれるクエン酸が疲労回復を促進してくれるからですね。
汗をたくさんかいて塩分が体の外に出てしまいがちな夏は、クエン酸と塩分が両方含まれている梅干しがお勧めです。
梅干しの塩分を気にする方も多いかと思いますが、一個約10gの梅干しに含まれる塩分はだいたい1g程度ですから、成人男性の塩分摂取量の目標値が9g(女性では7・5g)未満ですので、味噌など他の食材の塩分を計算に入れても、一日1個なら全く問題ありません。
味噌と共に昔から「医者いらず」と言われている梅干し。暑い夏は毎朝一個の梅干しでクエン酸と塩分を補給しましょう。
BEST3 バテる前にスイカ
真夏の冷たいスイカは美味しいですよね。甘くてみずみずしくてほとんどが水だけのように思ってしまうスイカですが、実はスイカは熱中症予防の力強い味方なんです。
実際、スイカは水分が90%とほとんど水なのですが、実は糖分をはじめカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれているのです。
よくスイカに塩をつけて食べますが、これも理にかなった事で、そうするとまるでスポーツドリンクと同じ成分になるのです。
スイカの水分、甘み、ミネラルが夏バテしかけている体を元気づけてくれます。スイカの甘さでカロリーを気にされる方もおられますが、スイカは意外と低カロリーで100gあたり40kcal未満。ゴボウの65kcalよりもはるかに低いのです。
また暑くて食欲がない時は、どんな栄養がある食べ物でも喉を通らなければ何もなりませんが、その点スイカはジュースにもできますし食欲が無くても食べやすくて強力な助っ人です。
BEST4 トマト料理で熱中症予防
トマトにはクエン酸やカリウム、食物繊維が豊富に含まれていますが、それに加えて熱中症予防に有効なリコピンと言う成分が豊富です。
実はこのリコピンにはビタミンEの100倍ともいわれる強い抗酸化作用があるのです。
夏場は強い紫外線や高温のために体内の活性酸素が増えすぎてどうしても疲れてしまいます。
その疲労が熱中症の大きな原因になることを思えば、強い抗酸化作用のあるリコピンを含んでいるトマトも、熱中症予防には大切な食べ物と言えるでしょう。
リコピンには面白い性質があって、生の状態で食べるよりも加熱処理した後の方が体への吸収が良いのです。こういう事から、トマトは生で食べるよりもトマトスープやシチューにして食べる方が熱中症対策には効果的と言えます。
また、生で食べる場合でも、大きなトマトよりはミニトマトの方がリコピンを多く含んでいます。生で食べたいと言う方はぜひミニトマトがお勧めですね。
トマト単体で食べるのも良いですが、例えばトマトピューレと豚肉やジャガイモなどを入れたシチューなど、トマトとほかの栄養素をバランスよく含んだレシピを考えてみてはいかがでしょう。
BEST5 運動前後の牛乳で熱中症予防
牛乳には塩分は少ないですが、たんぱく質やカルシウム、ビタミンAやビタミンB2が豊富に含まれています。また、牛乳のたんぱく質の中には体内に入るとアルブミンの原料になる乳たんぱく質が含まれていて、これが熱中症対策に大事な役目を果たしてくれます。
アルブミンは血管の壁を透して血液中に水分を補給する働きがあります。
アルブミンによって血液に水分が補給されるとそれだけ汗をかく余力が生まれますから、運動の前後に牛乳をコップ一杯飲むと、発汗を促して体温調節をすることが出来ます。
そしてその結果、熱中症を予防できるのです。このように牛乳は単に喉の渇きを癒すだけではなく、体のメカニズムを動かして熱中症を予防してくれる働きがあります。
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロすると言う方もいらっしゃいますが、これは牛乳に含まれる乳糖が原因です。今は乳糖を除去した牛乳も販売されていますので、それなら問題ありません。また牛乳の脂肪分を気にする方には、低脂肪乳があります。
それでもどうしても牛乳だけは嫌だと言う方は、ヨーグルトでも代用できますので、手軽に飲めるタイプのヨーグルトを運動時に用意するのも良いでしょう。
まとめ
以上、熱中症予防に良いものとして5つの食べ物(飲み物)について見てきました。
こうして見ますと、どれもこれも水気の多い物ばかりです。やはり水分補給も兼ねて摂れる食材が熱中症を予防するためには一番良いのですね。
どうしても食欲が無くなる暑い夏は、食べやすく消化の良いもので必要な栄養をバランスよく体に補給してあげる事が一番大事になります。
他にも、熱中症対策に効果的なグッズやワークユニホーム「空調服」なんかも併用してみてください。
暑い夏を元気に乗り切るために、ぜひご参考になさってくださいね。
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