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うちのお寺「天台宗」の基礎知識

うちのお寺「天台宗」の基礎知識

うちのお寺は天台宗。と知ったのは、大好きな祖母の葬儀のときでした。自分の家の宗派など、それまでは、まったく興味の無い事柄でした。

しかし、お葬式や法要など、いざとなると大事なのが、先祖代々から長きに続く菩提寺とのお付き合いです。

核家族が進む現代、うちのお寺は「何宗」なんて知らない人が多くなってきました。今直ぐには必要が無いかもしれませんが、お盆のお参りなどに来られる菩提寺のご住職に、恥を忍んで一度尋ねてみましょう。そのとき少しでも基礎知識を頭の片隅に入れておくことが大切かと思います。

そこで、うちのお寺、天台宗の基礎知識を調べてみました。

延暦寺 根本中堂

延暦寺 根本中堂

○天台宗は密教か顕教か

最澄は唐においていわゆる顕教のほかに密教を相伝され、法華円教、真言密教、達磨禅法、大乗菩薩戒の四宗融合を特徴とする日本天台宗を確立しました。

その意味で、最澄は日本をはじめて密教を伝えたこととなり、天台宗は「台密」と呼ばれるようになりました。

天台宗の教えの特徴は、四宗融合による総合仏教であることで、とくに、すべての人がみな成仏できるという円教の教えを打ち出したことにあります。

奈良仏教では、仏教に声聞、縁覚、菩薩の三つの乗り物があり、菩薩に乗った人だけが成仏できるという三乗説をとっていましたが、最澄は仏の教えは一つであり、声聞、縁覚、菩薩の区別はなく、三乗即一乗であって、すべての人が仏の教えによって救われ、成仏できる法華円教の教えを説いたのです。

また、天台宗では、法華円教のあらゆる現象そのままが真実相であるとする諸法実相の教えと、天台密教としてのすべての根本は不生不滅の阿字であるとする阿字本不生の教えは同じののであるとする円教一致が特色でもあります。

最澄は唐で中国天台宗とともに密教などを学び、それを融合させて円教の一乗説をもとに総合仏教として日本の天台宗が確立されました。

密教と顕教

真言宗の空海によれば、密教とは、教義が深遠で、せそ境地に到達した人物でなければうかがいしれない、むずかしいもののことをいう。

また、顕教は教養が言葉や文字でわかりやすくとかれたものをいう。

しかし天台宗では、大乗仏教の一乗の教えは円教であり密教であるとみ、小乗三乗の教えを顕教という。

したがって密教は大日如来とそれら同一体の釈迦如来の教えもある。

つまり、天台宗で円密一致を宗の根本とします。

延暦寺 阿弥陀堂

延暦寺 阿弥陀堂

○天台宗の本尊

法華経の如来寿量品には、お釈迦さまは永遠の過去において悟りを得て成仏し、それ以来、人々を教化しつづけていて、菩提樹の下で悟りを開いたのは仮の姿であると説かれ、それを久遠実成無作(くおんじつじょうむさ)の本仏といっています。

天台宗では、久遠実成無作の本仏、すなわち釈迦牟尼仏が本尊とされています。

そかし法華経のなかでは、すべての如来、菩薩、明王、諸天は久遠実成無作の本仏であり、人々を教化するために時と場所に応じて姿を変えたものと説いています。

そのため、天台宗の寺院では、釈迦牟尼仏のほかにも、阿弥陀仏、薬師如来、大日如来、観世音菩薩など、いろいろな諸仏、諸菩薩がそれぞれのお寺の縁起によって本尊として祀られています。

○よりどころとする経典

法華一乗の立場から、「法華経」が根本経典とされています。

また、四宗融合のため、そのほかの経典も「輔宗の聖典」となっています。

その主なものは、円教の「法華経(妙法蓮華経)」「仁王般若経」「金光妙法」「中観論」「大智度論」。

密教の「大毘盧遮那成仏神変加持経」「金剛頂大教王経」「蘇悉地羯羅経」「菩提心論」。

戒の「梵網菩薩戒教」。

浄土宗の「大無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」などがある。

「法華経」二八品は、お釈迦さまの教えを総括し、真実を説いた教典で、天台智顕が「法華経」の教えを解説・実践のために著した「法華玄義経」「法華文句」「摩訶止観」が法華三大部とされ、これによって支えられる「法華経」の教えが円教なのです。

○天台宗の分派

最澄の没後、天台宗には四祖円仁と六祖円珍という二人の名僧が現れるが、その没後に弟子たちの対立が起こり、円珍の弟子は園城寺に移って寺門派と称し、延暦寺の山門派と対立します。

その後、両派とも分派が進みました。

図1

○天台系諸派の本山

最澄が最初に創建した比叡山延暦寺が天台宗の総本山です。

このほか、門跡寺院や天台宗系諸派の総本山もあります。

<諸派総本山の主なも>
園城寺(三井寺 滋賀県大津市・天台寺門宗)
西教寺(滋賀県大津市・天台真盛宗)
四天王寺(大阪市・和宗)
鞍馬寺(京都市・鞍馬弘教)
浅草寺(東京都大東区・聖観音教)
粉河寺(和歌山県粉河町・粉河観音宗)
金峯山寺(奈良県吉野町・金峯山修験本宗)
聖護院(京都市・本山修験宗)

<門跡寺院>
三千院(京都市)
妙法院(京都市)
曼殊院(京都市)
毘沙門堂(京都市)
清蓮院(京都市)
滋賀院(滋賀県大津市)
輪王寺(東京都大東区)
輪王寺(栃木県日光市)

<別格大寺>
寛永時(東京都大東区)
善光寺大勧進(長野県)
喜多院無量寿寺(埼玉県川越市)
立石寺(山形市)
円教寺(兵庫県姫路市)
観世音寺(福岡県太宰府市)


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鞍馬寺

鞍馬寺

○天台宗の戒名の特徴

戒名とは本来、仏に帰依し、授戒した人に授けられます。

天台宗の戒名は二文字・四文字・六文字のものがありますが、○○○○信士(信女)という四文字のものが一般的です。この場合下の二文字が戒名で上の二文字は道号といい、生前の徳や業績、性格などをあらします。

信士、信女は位号といって性別、年齢、お寺や社会への貢献度を参考に決められ信士・信女は15歳以上の男女につけられるものです。

他にも、居士、大姉、童子、童女などはあります。

○法具の特徴

天台宗は、修法を行うときには独特の密教法具を用います。

その代表的なものは、金剛杵、鈴、輪、数珠などです。

金剛杵はあらゆる煩悩を打ち破る堅固不壊の心をあらわすもので、古代インドの武器に由来します。

鈴は神仏を歓喜、驚覚させるためのもので、両端の一方が鈴に一方が杵の形になっています。

輪は武器から法具に転じました。

数珠は念珠ともいい、仏号などをとなえるときに数を数えるために使います。

図3

○仏壇と本尊

仏壇とは、寺の本堂を小さくしたもので、本尊をまつることが基本です。

位牌も安置しますが原則として本尊が主で、位牌は従という関係です。

天台宗では「久遠実成無作の本仏をもって本体とする」として、すべての如来・菩薩・明王・諸天はそれぞれ本尊であると解釈しています。

そのため特定の本尊を規定していないので、菩提寺の本尊をまつる場合が多い。

一般的には、阿弥陀如来、釈迦如来、観世音菩薩です。

本尊は仏壇最上段中央奥の須弥壇の上に安置します。ここは最も神聖な場所であり、位牌もここに置いてはいけません。

本尊は木彫り、あるいは掛軸の画像のいずれかでかまいません。座っているもの立っているものも自由の選んでください。

本尊の左右にまつる脇侍は、向かって右側に高祖天台智者大師、左側に宗祖伝教大師をおまつりします。

○仏壇と仏具

仏壇はふつう三段になっており、その上段に本尊、脇侍等を安置し、本尊の前に茶湯器や霊供膳を置きます。

中段には先祖の位牌を安置。位牌は報恩感謝をささげるべき先祖の戒名が書かれている大切なものです。

その安置の場所は向かって右側に古い位牌、左側に新しい位牌を置きます。

過去帳があれば、この段の中央に安置し、過去帳の両脇には高坏を置き、お菓子や果物などを乗せてそなえます。

下段には、香炉、燭台、華瓶をそなえます、それぞれが一つずつの場合は三具足、燭台、華瓶が一対ずつの場合は五具足とよばれ、さらに五具足に前香炉と線香差しを加えて七具足という場合もあります。

三具足の場合は、香炉を中心に右に燭台、左に華瓶を配置し、五具足の場合は香炉を中心に内側に燭台一対を、外側に華瓶一対を配置します。

さらに経机の上に数珠、経本、鈴、線香差し、などを置きます。木魚は経机の向かって右側の下に置きます。

仏壇

○数珠(念珠)の持ち方

数珠は仏前に礼拝するときの必需品です。

数珠の玉一つひとつが人間の煩悩をあらわしているともいわれるように、一〇八玉のものがし正式です。

天台宗では平珠という薄い円形の珠のものを用います。

それに大きな母珠が一個、母珠の両わきに七個おいて一個、二十一個おいて一個ずつの合計四個の一回り小さな珠がつけられます。また母珠からは二〇個の平珠と一〇個の丸珠がついています。

数珠のかけ方は、普通は左手首に二重にしてかけておきま、念珠するときは両手の親指と人差し指のあいだにはさみ、房をしたにたらします。

そして手を合わせてすり合わせます。

ただ何度もすりあわせずにおつとめの最初と最後だけ行います。

数珠

○天台宗のおつとめ

おつとめは正式には勤行といい、梵語ではビーリヤ=パーラムターといって、つとめて善法を行う意味です。

天台宗の檀信徒のおつとめは、「在家勤行儀」にもとづいて行います。

「在家勤行儀」「檀信徒のおつとめ」などの経本が配布されていますので、それを使うのが良いでしょう。

また、詳しい作法などについては、菩提寺に相談しましょう。

(出典:うちのお寺は真言宗/双葉社)

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