難攻不落の山城「備中松山城」の歴史
標高430mの臥牛山頂上付近に建つ天守は、備中松山城は1240年に作られた歴史のある山城です。
元々は秋庭三郎重信が作った小さな砦のような山城でしたが、室町時代、戦国時代と時代が下るにつれ規模が拡張されていきました。
そして戦国大名である三村氏の時代に、今の城砦の原型が出来たのです。
その三村氏の時代、備中松山城は難攻不落の山城として名を馳せましたが、やがて三村氏は毛利氏と織田氏の抗争に巻き込まれていきます。
毛利方であった三村氏は、強大になりつつある織田氏に寝返りましたが、これをよしとしなかった毛利氏が三村氏に総攻撃を始めます。
それでも難攻不落であった備中松山城は落ちませんでしたが、毛利氏は備中松山城の近くにある支城をすべて落とし、備中松山城を完全に包囲します。
完全に包囲されてはどうにもならず、ついに裏切り者が出て城は落城します。
しかし、逆に言えば完全包囲して裏切り者が出るような状況でないと落ちないほど、備中松山城は堅固な城だったということです。
その後、城は毛利氏の物になりますが、その毛利氏も関が原の戦いで破れ、領土の大半を失います。
その結果備中松山城は、池田氏、水野氏、板倉氏などの中小大名にたらいまわしにされます。(この時にさらなる拡張工事が行われました。)
その後明治になり、打ち捨てられた城は荒廃しますが、昭和の時代に修復工事が行われ、今の備中松山城が出来たのです。
備中松山城、日本で唯一の山城の魅力
備中松山城の魅力は、なんといってもその天守にあります。
大昔に作られた天守が現存している城はいくつもありますが、それは全て平城です。山城で天守が残っているのはこの備中松山城以外にありません。
なぜ平城の天守が残りやすいのかと言いますと、それは平城が交通の要所に築かれる城だからです。
なので人の行き来も多く、市街地に近いので手入れや保存が容易なのです。
しかし、山城はどこも辺鄙な場所にあるので、必要がなくなると手入れもされず、朽ち果てていきます。
これは山城は平城と違い軍事拠点に特化しているので、軍事上の必要がなくなるとあっさりと捨てられることに関係しています。
それなのに、この備中松山城はその雄大な天守を今でも残しています。
これが備中松山城最大の魅力なのです。
他にも備中松山城には、櫓や塀が当時のまま残っています。
もちろん、たびたび修復工事や復元工事があったので、今の城は戦国や江戸期の備中松山城そのものとはいきませんが、それでも当時の城に近い形でこの城は残っています。
軍事拠点である山城は非常に朽ち果てやすいことを考えれば、この貴重さはその辺の城の比ではないと言えます。
まとめると、備中松山城の魅力は、戦国期や江戸期の城に近い形で現在も城が残っていることにあります。
特に、天守が丸々残っているのは極めて珍しいです。
現存する天守閣が見れる「天空の城」が見どころ
備中松山城の見どころは、なんといっても天守です。
日本広しといえども、昔の天守が残っている山城はここだけです。
今残っている天守は戦国ではなく江戸時代に作られたものですが、それでもその歴史性と雄大さは、極めて貴重なものです。
ここを穴があくほど見ておくべきでしょう。
そして、最大の見どころは、9月から2月の早朝に山肌に霧が出て「天空の城」となるところです。他の天空の城との大きな違いは、現存する天守閣が天空に浮かび上がるところが見られます。
それ以外にもこの城には見所がいくつもあります。
まずは石垣です。この城は山城なので、下から見ると石垣が物凄く高いです。
天守と並んで、この石垣には山肌に直接石垣を積んだことから迫力があります。
次に、この城には天守同様に平櫓や二重櫓など多くの櫓が昔から残っていますので、これも見ておくべきです。(櫓も天守同様重要文化財です)
それが終わったら、山城ならではの景色を楽しむべきでしょう。
城の近くには備中松山城展望台という展望台があり、この展望台に行けば、山の中から周囲の景色を見下ろすことが出来ます。
それだけでも絶景ポイントと言えますが、この展望台にはもうひとつ魅力があります。
それは備中松山城をちょうど横から見ることが出来る点です。
城を間近から見るのと横から見るのとでは、同じ城でも印象がまったく違います。
城を間近から穴が開くほど見てきたら、後は展望台に行って備中松山城の遠景を撮影しておくとベストです。
せっかくここまで来たのなら、城の近景と遠景、両方制覇しておきましょう。
【基本情報】
備中松山城展望台MAP(岡山県高梁市)
備中松山城天守閣MAP(岡山県高梁市)
城入館料:【大人】300円 【小中学生】150円
入場時間:【4月~9月】9:00~17:30
【10月~3月】9:00~16:30
(※12/29から 1/3まで 本丸への入城はできません。)
駐車場:城見橋公園(5合目)110台、ふいご峠(8合目)14台
<高梁市まで自家用車の場合>
・岡山自動車道・賀陽インターチェンジより国道484号で約15分
・岡山自動車道・有漢インターチェンジより国道313号で約25分
<JR高梁駅までJRの場合>
・JR岡山駅より伯備線でJR備中高梁駅下車
特急列車で約35分、各駅停車で約50分
<備中高松城まで自家用車の場合>
平日及びシャトルバスが運行していない日は、ふいご峠(8合目)まで自家用車であがれます。シャトルバスが運行している日に限り城見橋公園(5合目)に駐車していただき、シャトルバス(往復300円)でふいご峠(8合目)まであがっていただくようになります。ふいご峠(8合目)からは徒歩で約20分程です。
<備中高松城まで乗合タクシーの場合>
備中松山城 観光乗合タクシー(要予約)
JR備中高梁駅前 ― ふいご峠(8合目)間
毎日 往復4便 運行 片道 500円/1人
申し込み先:
備中高梁駅前観光案内所 (受付時間 : 9時 ~ 17時)
電話 0866-22-8666
※ご利用日の前日17時までに必ずご予約ください。
詳しくは→
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